手を少し伸ばせば、ソレは直ぐに届く距離。
けれど、
どれほど どれほど
必死に腕を伸ばしてみても ソレに手は届かない。
「雲雀くん聴いて聴いて! わたし、すきな人が出来たのよ!」
ほんの少し、あと少し、
手を伸ばせば届く距離。
けれど けれども
どんなに想いを込めて腕を伸ばそうと、ソレは無情にも僕を嘲笑うかのように
とおくに とおくに
小さく霞むほどに遠くに離れてゆくだけ。
「野球部の、山本君って人なんだけど・・すごく格好良いの!」
ねえ、。
僕はどうすれば
どれほど想いを込めれば
どれほど腕を伸ばすことが出来れば
君を手に入れることが出来たの?
ああ
如何して
他人を咬み殺すだけの 冷淡で機械のようだった自分に
未だこんな感情があるのだろう?
ねえ 如何して
叶わない願いだと知っていながら
如何して
未だこんなにも君を 愛しく想ってしまうのだろう?
そして、こんな苦しみすらも愛しくて仕方が無い僕はなんて滑稽なんだと自嘲した。
「・・・・そう。 お幸せに」
−後書きという名の遺書−
何か色々なサイトさんの影響が混ざりました。
悲恋。悲恋です。多分。これで精一杯です。
詩っぽく頑張ってみました。
この話の中では雲雀さんとさんは付き合ってない設定。